アトリエにひそむ名画展
 

小さな戦いの物語


2022年2月
ボクたちの平和な村に
突然、大きな兵隊の黒波がおしよせてきた
パンパンパンダダダダツ、銃声が何日も、何日も・・・
ママ、パパ、となりのアっちゃん、
パン屋のトモちゃん、魚屋のよし兄ちゃんは
どこへいったの・・・
村中の家はこわされて、誰もいない・・
誰もいない・・
それでも、ボクは負けない!!
ニュースを見て、子供達は考えました。
なんで、あっちこっちで争いがたえないの???
みんな、平和を、幸せを願っているのに・・
しばらくして、一人の女の子が
「そうだ、きっと、やさしい心がたりないからだ・・」と言いました。

すると、もう一人の男の子が
「ぼくたちでも、やさしい心をふやしていく事ならできるかもしれない・・」
と言いました。
そこで子供達は、おもいおもいの方法で、やさしい心をふやそうとしました。
ある子供は、野原で、幸せになるという黄色い花を見つけてきました。
ある子供は、海で、おめでたいという元気な魚を見つけてきました。
ある子供は、山で、健康になるという赤い実を見つけてきました。
ある子供は、宇宙で、平和の黄色い星を見つけてきました。
ある子供は、月に咲く、お願い事を叶えてくれるという、
祈りの花を見つけてきました。
ある仲良しの二人は、愛の太陽を見つけてきました。
ある子供は、ハートの惑星をもつ、きれいな、きれいな青い星を見つけてきました。
ある子供は、朝早くに、流れ星をみつけ、黄色い花のお願いをしました。
ある子供は、姉ちゃんのお古の赤いセーターを着ると
不思議な力がわいてきます。
まだ大きめの赤いセーターを着て
幸せの黄色い花を見つけにいきました。
ある子供は、ピンクの傘をさしかけて、愛の芽を育てはじめました。
ある子供たちは、お祭り広場で、いろいろな お面をみつけて遊んでいます。
ある子供は、おかめのお面をみつけました。
おかめのお面が、お母の顔そっくりだったので、ワーと歓声をあげて、
おかめのお面をつけて遊びだしました。

おかめのお面をつけると、不思議に勇気がわいてきました。
ある子供は、ひょっとこのお面をかぶってお祝いの太鼓をたたいています。
お祭りをはじめた子供たちもいます。
ある子供たちは、みんなガンバレと大きな祭りうちわで、風を送っています。
ある子供たちは、やっと寒い、寒い冬が終わり、桃が咲き、
みんなで春をむかえられたことを喜びあいました。
ある子供たちは、仲間たちに幸運がおとずれるように、
招き猫のお面をかぶって招き猫ダンスを踊っています。
ある子供たちは、「やさしさ」を森の神、フクロウ先生に教わりにいきました。
ある子供は、母ちゃんの折ってくれた紙カブトをかぶって勇気100倍
「みんな元気に・・」と、鯉のぼりを五月の風におよがせました。
ある子供は、神様のかっこをしてやさしい心をふやそうとしました。
ある子供は、サンタのかっこをしてプレゼントを運んでいます。
ある子供は、天使のかっこをして空を飛ぶ練習をはじめました。
ある子供は、ベビーギャングのかっこをして悪い人をこらしめようとしています。
ある子供は、ケガや病気になった仲間を治そうとハンドパワーの練習をしました。
おかめのお面をかぶって、おかめパワーの練習です。
ある子供たちは、ヤモリのぬいぐるみを着て、みんなの家を守っています。
ある子供は、おおきな愛のスイッチをつくりました。
ある子供は、ハートがとまってくる人差し指をつくりました。
ある子供は、強い風に向かって、V旗をひるがえしています。
なんでこんな・・・!?
負けるものか!!
ある子供は、空からふってきた鉄のかたまりをゲンコツでうちかえして、
小さな花をまもりました。
ある子供は、よごれた空を、きれいな青空に塗りかえています。
ある子供は、やぶれた空を縫いあわせています。
ある子供は、マジシャンになって黒い夜にはいりました。
そして、赤いカードを次から次へと捨てていきます。
やがて、カードが無くなる頃、密かにVサインをだしました。
すると、黒い夜を引き裂いて、光がさしこみ青空と、白い鳥が飛び込んできました。
ある子供たちは、おなかのすいた仲間たちにと、パワースープを作りはじめました。

ある子供たちは、遠くへいってしまった友達へ花を届けてくれるように
雲にお願いしました。

雲よ花をはこべ

ある子供たちは、
「ぼくたちは、何もできなかったけれど、二人で仲良くすることはできるヨ」
「ぼくたちも何もできなかったけれど、ずっと、どんな時でも友達でいることはできるヨ」と、 元気に手をふって、ほほえんでいます。

まだ、なにも出来ない小さな、小さな子供たちは、
ただ、やさしくほほえんでいます。

ある子供は、小さな子供たちに、ガンバッタごほうびに
大きな黄色い花をプレゼントしました。
もう夕方になりました。
空を見上げると、やさしい母ちゃんと見た、思い出がいっぱいつまった一番星が・・
ある子供は、戦う友たちに、疲れて動けなくなった友たちに、
「今日はがんばったね。もう日が暮れる、お家に帰って」と
ラッパを吹いています。
ぼくのお家はどこ・・・  お家にかえりたい・・
ある女の子は、戦いにつかれた仲間たちにとどくようにやさしい風をふかせました。
疲れて、お家に帰れなくなった二人の子供は、
こわれた傘を黒い夜の中でじっと手をつないでいます。
焦土にも陽が昇る
みんな、一生懸命です。
まだまだ、子供たちの戦いは終わりません。
ある小さな子供が、誓いのハートをかかげました。
「ハートの誓いだヨ。ぼくたち、わたしたちは、世界中、
やさしい心いっぱいになるまで戦うオ」
この作品は、貴方の心の故郷、童心の物語です。
そして、ここでは描きつくせない、多くの子供たちが、
世界中で、やさしい心をふやす小さな戦いをくりひろげているのです。
あなたと共に
戦禍は続く、どれだけの命が、幸せが失われたのか
また爆弾が・・
花畑が飛び散った
ママへの誕生日プレゼント
黄色い花も飛び散った
もう、何も無い
せめて
心に咲いたこの花をママへ

大人たちは、なにをしているの・・
それでも わたしは負けない!!
心に咲いた花

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